木ダボ工法による静砂垣工法
防風・防潮・飛砂防止などの目的で、海岸沿いにはクロマツ類の植栽が多く行われます。
ですが、特に日本海沿岸は北西の風が厳しく、植栽木の健全な育成のためには静砂垣などの構造物が欠かせません。
従来の製品では、接面部分すべて金具(ボルト・釘)で固定されていたため、設置場所である海岸付近では塩害を受けやすく、損壊の恐れが高いことが長期の課題になっていました。
その状況を踏まえ、新たに開発されたのが木ダボ工法による静砂垣です。
木ダボ工法による静砂垣は、4年間の追跡調査結果において従来の金具構造と比較しても遜色は見られませんでした。
もちろん、機能性においてもすぐれているのがこの製品で、地盤面から10cmを埋没させることで飛砂の防止も図っています。
その他にも、木ダボを使用しているため、撤去時に分別が不要で、ペレットやバイオマスなどの燃料剤としても活用できるなど様々なメリットがあります。
さらに弊社では木製静砂垣と並行して、金物を使用しない衝立を考案し苗木の保護にも努めました。
簡単な溝加工を施し、遮へい版を落とし込むのみであるため、施工も簡単で効率的な作業が可能となっています。
植栽後の生育状況を比べると、木製衝立を施工した現場は下層植生良好で保水率も良いため、活着率が従来より向上する結果となりました。
今後も追跡調査を行い、松の生育状況の観察をすることでより早く、より効率よく生育できるよう努めていきたいと思います。
左が衝立がない状態のもの、右が衝立を設置したもの。差が大きく表れている。
そしてこの度、弊社のこの2つの製品を2017年ウッドデザイン賞へ応募したところ、木ダボ工法による静砂垣工が2次審査に選出され、
ウッドデザイン賞2017 受賞
となりました。
現在当社木の香施設にて実際に応募した静砂垣工・つい立の模型を展示しております。
パンフレットなどもございますので近くにお越しの際はぜひお立ち寄りくださいませ。